海外FX業者で取引することは合法ですが、悪いイメージを抱いている人もまだまだ多いのではないでしょうか?
海外FX業者は、いくつかのポイントを押さえて利用すれば基本的に安全です。
この記事では、海外FXに潜む危険性や実際あったトラブル事例もいくつかご紹介します。
国内FXと海外FXを比較したメリット・デメリットやリスクの違いは以下の記事で解説しています。
また、海外FX Wikiでは「海外FX投資詐欺の相談窓口」を設けております。既に何らかの被害を受けた方は以下までご報告ください。
目次
海外FXに潜む危険性
悪質業者・詐欺業者の実際の事例
ここでは悪質な海外FX業者が実際に起こした詐欺の事例を紹介します。
突然、サイト閉鎖・音信不通になる業者に注意
架空の海外FX業者を装い資金だけ集め、事前告知なく突然サイトを閉鎖して音信不通になる業者は実在します。
そのようなサイトはもともと詐欺のためだけに作成されるのですが、最近では誰でも簡単に本格的なホームページを作成できるため、本物の海外FX業者と見分けがつかないほど精巧です。
直近では、8MAX・AstarPrime・Riselink FXの3社が悪質で、普通にMT4をダウンロードして架空取引できたところも厄介でした。特にRiselink FXは典型的な詐欺業者で、犯行グループは既に日本で逮捕されており公式サイトも閉鎖済です。
Triton FX・AtlasForex・EBE Inc・VirtueForexの4社も不審な点が多いため要注意してください。この4社の公式サイトは、現在も閲覧可能な状態です。
以下の記事は、怪しい業者を見分ける際の参考になると思います。
何かと理由をつけて出金させてもらえない
常に自転車操業している業者にも要注意です。悪質業者は、ある投資家の口座資金を、別の投資家の出金に利用します。
そのため、手持ちの資金を超える高額出金を依頼された場合、さまざまな理由をつけて、出金を遅らせたり出金を拒否したりするのです。
日本の金融庁に登録している国内FX業者であれば、業者資金と顧客資金の完全分別管理の徹底が義務化されているため安心です。
しかし、オフショアのマイナーライセンスを取得している海外FX業者は、分別管理が義務化されていない場合が多いため、資金管理はもっぱらその業者の信頼性に委ねられています。
そのため、海外FX業者を選ぶ際は、口コミを参考にして出金実績や出金拒否の有無をチェックしてください。
出金時に税金を払えと言われる
海外FX cxmというところで13万円投資して今現在100万円になりました。
自身の口座は引き出しを行おうとしたら追加税として2310usdをcxmへ支払わないと引き出しが出来ないと言われました。
これは妥当ですか?
また日本国内で年末調整を年明け行う必要があるかと思いますが、今回cxmへ支払う追加税2310usdとは別に課税されるのでしょうか?
その際は追加税2310usdは必要経費となるのかどうか知りたいです。 よろしくお願いします。
海外FX Wiki 編集部:
利益を出金する際、FX業者に数百円〜数千円の手数料を支払うことはありますが、税金を支払うことは絶対にありません。
コロナ禍を理由に出金してもらえない
海外FXのAtlas Forexがお金を返してくれないのですが、FX業者はこれが普通なのでしょうか?
コロナの影響でお金を返さないと言ってくるのですが、それじゃあコロナが収束するのに数年かかったら顧客の財産を返さないってことになります。
それは普通のことなのでしょうか?
単なる詐欺としか思えず、客の財産を法的根拠もなく没収する権利はないはずです。
最近は問い合わせをしつこくした影響で、営業妨害はやめろと恫喝されました。完全に異常です。
海外FX Wiki 編集部:
コロナの影響で出金できないという業者は、普段から自転車操業している悪質業者としか考えられません。分別管理さえ徹底していれば、いくらコロナ禍だろうと金融機関は通常営業しているため、問題なく出金できるはずです。
SNSでの投資勧誘・セミナー参加等でも被害相談多数
何かとセミナー参加やアフィリエイトを迫られる
怪しい情報商材・怪しい投資プロジェクトの被害相談は、枚挙にいとまがありません。
そのような業者・主催者は、インフルエンサー・成功事例・キャッチーな言葉を駆使して、高額情報商材の購入・高額セミナーへの参加・アフィリエイトに誘導してきます。
どこにでもあるような無料EAを、さも投資のプロが開発した画期的なトレードテクニックのように祭り上げているだけの可能性が高いでしょう。
派手な広告・セミナーを実施している業者ほど警戒してください。
ただのマルチ商法だった
大学生です。コンケットワールドのFX自動売買システムについてです。
友達がやっていて、特にしつこく勧誘された訳では無いのですが興味を持ち、多少の怪しさを感じつつも1ヶ月ほど前に50万円で購入してしまいました。
長期運用を見越しての購入だったので実際に運用してみて今のところ利益に不満は無いのですが、実態は勧誘に成功すれば1人につき5万円の報酬が出て、5人勧誘すればマネジメントという肩書きになり給与形態が変わるというマルチ商材でした。
セミナーやミーティングも頻繁に行われるのですが、その内容もFXや投資の知識についてなどではなく、実際に稼いだという当人がどういう意識を持って始めたか、稼げるようになるにはどうすればよいか、と言ったような大雑把な内容のものでほとんどためにはなりません。
正直後悔しかありません。
クーリングオフ期間は10日間らしく、とうに過ぎてしまっています。金融庁や消費者センターに相談しようと思うのですが、何か解決するでしょうか?
それとも泣き寝入りするしかないでしょうか?
海外FX Wiki 編集部:
このセミナーは販売員育成目的だった可能性がありますね。口コミを見ると、ある程度儲かっている人もいるので、EA自体はマトモかもしれませんが、会社・組織の実態は完全なマルチ商法のようです。
当初の話は完全無料、結局高額コミュニティに勧誘される
佐藤孝法の「FTE BEYOND」に対して集団訴訟を起こすため、このプロジェクトを立ち上げています。
FTE BEYONDに関しては、再販を繰り返していたため、購入者はかなりの数が見込まれます。
また、完全無料や初期費用0円といっていましたが、結果的に高額なコミュニティに勧誘されます。
「モデスティクラブ」というものです。
ここに入会してしまった人が多いのではないでしょうか。
仮想通貨と法定通貨のFX自動売買システム運用で、収益を狙うというもの。
翌月には参加費用をペイ出来るという事を言っていたが、当然そんな事はなし。
参加時点で、上位特別なランクの二名に選ばれたとかで、500万の参加費を後払いで頭金100万、後から追加で30万支払う。
なかなか収益が上がらず。全く稼げず、不確実な事を確実に儲かると言って勧誘された。
海外FX Wiki 編集部:
「完全無料」「誰でも稼げる」を謳っているものは、後から追加入金を迫り高額セミナーなどに勧誘する典型的な怪しいネットビジネスです。自動売買で稼ぐ利益よりも、多くの出費が伴うかもしれません。
不具合ツールを購入させられた挙句、音信不通
M4レジェンドクラブ
2018/03/07、FXで絶対に稼げるようにする、との触れ込みであったため購入。
しかし、購入後は、全くシグナルが点灯しないなど、不具合ばかり起きるサインツールを送ってきただけで、FXで勝てるような知識の提供は何一つなく、仮想通貨等のアフィリエイトばかりしてきた。
FXで1億稼ぐようにするという事であったので購入。
その後、サインツールを送ってきたが、全くシグナルが点灯しないなど、不具合ばかり。
また、FXで稼ぐ知識の提供はほとんどなく、仮想通貨のICO等のアフィリエイトばかりしてくるので、LINEおよびインフォトップを通して返金要求したが、何の返信も無かった。
海外FX Wiki 編集部:
不具合ばかりのEAは論外ですね。また、自動売買は長期運用が前提なので、ある程度ストラテジーの中身が公開されており、バックテスト(運用シミュレーション)ができるものでなければいけません。過去〜リアルタイムの運用データも必要です。
嘘の口座残高を公表して怪しいプロジェクトに勧誘する
怪しいプロジェクトに関する情報は、SNSに蔓延しています。
特に高額口座残高のスクリーンショットを公開しているアカウントには要注意。
たいていダイレクトメッセージを使い、特定の業者で口座開設・入金を指示してきます。
近年では、PAMM(パム)やMAM(マム)と呼ばれるプロのトレーダーが取引を代行してくれるサービスがあり、既に多くの海外FX業者で利用できます。
もし、その怪しいプロジェクトを運営する詐欺グループと、PAMM・MAMを導入した詐欺業者がグルだった場合のことを想像してみてください。
架空取引をしてロスカットを偽れば、投資家の資金は全額詐欺グループの利益となります。
そして、投資家は最終的な運用結果と「投資は自己責任」というメッセージを伝えられるだけで、何の補償・サポートも受けることはできません。
最後は不自然なロスカットで多くの投資者が大損
サタンプロジェクトのFX投資に関する集団訴訟の詳細情報
募集開始以前:運用者は現金プレゼント企画等でツイッターアカウントのフォロワーを伸ばしあたかもFXで利益を上げているかのような発言を行う。
2019年2月:サタン氏(@satan0254)及び、しらす氏(@shirasu_109)によるマネージドアカウントの募集開始。
投資者に口座残高をツイッターに投稿させ、利益を上げているように宣伝させる。
2月末に一度募集を打ち切った後、3月上旬に再度投資者を3日程追加で募集をかける。
Line@の登録者は5000人弱いたので、相当数の投資者がいたと推測される。
その後、Line@で3月後半以降に増収見込みのメッセージを繰り返し投資者に増資を呼びかける。
4月5日22時頃:強制ロスカットにより投資者の資金破綻。
投資による自己責任を理由にプロジェクトを終結させる。
取引レポートを見れば分かるが、明らかに不自然な取引で強制的に終了させている。
海外FX Wiki 編集部:
プロジェクト主催者に運用を任せるスタイルの怪しいプロジェクトは、過去にいくつも存在しました。最終的に主催者のアカウントは凍結され、被害者が集団訴訟を立ち上げますが、資金を回収できたという話は聞いたことがありません。
美女アカウントからのDM・ロマンス詐欺・電話勧誘の事例
美人インフルエンサーに勧誘される
詐欺師はグループとしてではなく、個人または個人を偽って活動もしているので注意してください。
最近ではあまり見かけませんが、バイナリーオプション全盛期には、SNSで悠々自適な生活をアピールしている美人インフルエンサーのアカウントが多数存在していました。
ブログ・YouTubeアカウント・Instagramアカウントまで開設し、とにかく豪遊生活の写真をアップしますが、その人物が本当に実在するのかどうかは不明です。
コンタクトを取るとたいてい特定の業者を勧められ、口座開設のサポートや取引方法を指南してくるため、業者の自作自演やアフィリエイトの可能性大です。
美人帰国子女からの紹介で始めてしまった
海外FXについて質問です。
過去の類似案件には目を通したつもりですが詐欺と思いご教授願います。
spotterfxpteというFX業者を利用してMT5のアプリでレバレッジ現在200倍で取引して利益が出ています。
出金を依頼しましたが、20%の納税を現金で先払いしないと出金できないと言われています。税金を払ったらその分も帰ってこないと思い質問いたします。
綺麗なシンガポールの帰国子女に紹介され始めました。
巧みに追加入金を勧誘され1500万円ほど入れてしまいました。
海外FX Wiki 編集部:
まず、FX業者に税金を納める必要はありませんので、この業者の出金対応自体、まともではありません。また、良く知らない異性からの紹介にも注意しましょう。おそらく業者関係者かアフィリエイト目的です。
投資ロマンス詐欺まで横行している
最近ではインターネット・SNSを活用した詐欺が主流ですが、昔ながらの典型的な詐欺も未だに横行しているようです。
ロマンス詐欺に騙された
ビットコイン投資でFxpro を使った国際ロマンス詐欺に遭いました。
結婚をチラつかせ、一生愛してるの言葉と共に会うことなく210万円を投資。BTCの利益が最大になったところで、税金を支払わないと利益が引き出せないと騒がれています。
愛やら恋やら、何かと素敵な言葉に一人暮らしの40代はすっかり騙されてしまいました。
私は特別でいたいという女性の心理をうまくついてきます。
騙した相手もなかなか頭の回転がいいですが、時々品性が疑われる言葉が出てきます。
笑って済ませたいですが、お金が絡むためこのまま泣き寝入りはできません。
ここからが本題です。今、口座にあるお金は返金手続きは可能でしょうか?
どこか相談窓口や被害者の会などご存知でしたら教えていただければと思います。
明日になれば、恥を忍んで警察や各種窓口などに相談するつもりです。
犯罪被害の項目がないため、金融カテゴリで参加します。目的外の投稿となりすいません。
海外FX Wiki 編集部:
FxProのような普通の海外FX業者を利用して、言葉巧みに資金を巻き上げる詐欺師もいます。交際・結婚を匂わせた詐欺にも注意してください。
突然、情報商材無料モニター当選の電話がかかってくる
大手証券会社との付き合いが長く、口座に数千万円レベルの資金を預けているような大口投資家であれば、営業マンから未公開株購入などの話を持ちかけられることはあるでしょう。
しかし、一般投資家にはそのような話はまず来ません。また、身に覚えのない業者から積極的に良い投資話を持ちかけられることもありません。
もし、投資関連の勧誘電話があり、いくら信用できそうな人物・話だとしても、絶対にやめておいたほうが良いでしょう。
無料モニターのはずだったが、結局入金を迫られ大損した
アローズ・プロジェクトの香川と名乗る人物から「以前申し込まれたFXのモニターに当選されたので、ご連絡しました」という内容の電話がある。
申し込んだ記憶がなかったため断りたかったが、香川の丁寧で実直な対応に気持ちが動いてしまったため「考える」と伝えて電話を切る。
数日後、再度香川からの電話が鳴る。「自動売買はうまくいかないようなので参加を見送る」と断ろうとしたが
「アドバイザーの朝倉という人物が説明出来るので聞いてほしい」とのことだったので、、その朝倉いう人物の説明を受ける。
「証券会社Trading Forex は、Aランクの証券会社なので出金が出来ない等の問題もなく安全」とのこと。結局このモニターに参加してしまった。
合計160万円出資。11月5日までは、スキャルピング手法で問題なくトレードができていた。証拠金1,731,821円
11月12日からマイナスが出始めた。13日は1日でマイナス52,091円。
この時点で危険を感じたため自動売買を止めるように依頼したが止まらない。16日は271,386円のマイナス。17日は329,924円のマイナス。
再度自動売買の中止を要求し、残金674,663円の出金を依頼するが出金に応じてもらえない。
19日は94,423円のマイナスとなってしまった。
今後の対処と保証を決めるから待つように言われたが、その後何も進展していない。
海外FX Wiki 編集部:
「発売前の情報商材の無料モニターに当選した」などの嘘の電話勧誘が横行しています。もし、自動売買プログラムの購入代金は無料でも、結局、資金は自分で用意しなくてはいけません。特に、自分で稼働・停止できないような自動売買は尚更危険です。
海外FXは合法だが詐欺に利用されやすい
海外FXで取引することは合法ですが、ルールや法律はその業者のある国・規制機関に準じます。
英語が苦手な人だと、万が一トラブルになっても解決が困難なので、なるべく日本語サポートがしっかりしている業者を選ぶようにしましょう。
また、口コミをしっかりチェックして、運営歴が長く高額出金実績の多い業者を選ぶことも大切です。
日本人に人気の海外FX業者は以下の記事紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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海外FX業者おすすめランキング2024👑人気FX会社21社を口座比較
今すぐランキング1位を見る この記事では海外FX歴16年の管理人が、日本人から信用実績のある最大レバレッジ400倍以上、極狭スプレッド、おトクなボーナスを提供している初心者に本当におすすめの安全な海外 ...
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しかし、海外FXをする上で注意しなくてはいけないのは、やはり詐欺です。
できたばかりの新興業者や聞いたことのないマイナー業者の場合、業者自体が詐欺という場合があります。
また、たとえ優良業者で口座開設したとしても安心してはいけません。
MT4・MT5・PAMM・MAMといった海外FX特有の自由度の高い取引システムを悪用し、怪しい高額情報商材の販売や高額セミナー・コミュニティへ誘導する詐欺グループが存在します。
詐欺グループが日本国内にいれば逮捕や裁判に持ち込める可能性もありますが、基本的に資金は回収できないと考えたほうが良いでしょう。
詐欺被害は主に以下の3パターンが組み合わされていますが、いずれにしても正しい知識を身につけていれば自己防衛は可能です。
- わざわざ自分から騙されにいくパターン(SNSや誇大広告に釣られて)
- 他人に影響されて騙されるパターン(インフルエンサーや友人に紹介されて)
- 詐欺師に直接騙されるパターン(詐欺業者・勧誘電話・ロマンス詐欺など)
海外FXで取引するのは違法か?
投資家が海外FX業者で取引することは合法
海外FX業者にブラックなイメージを持っている人の多くは、「海外FX業者は金融庁から警告を受けている無登録業者ばかりだからやめたほうがいい」という話を聞いたことがあるからではないでしょうか?
確かに金融庁のホームページを見ても、
と、しっかり記載されています。しかし、この注意喚起は、日本人に海外FXをさせないための言葉遊びに過ぎません(詳細は後述)。
本来、日本居住者が海外FX業者で取引することは、ちゃんと日本の法律で認められています。
海外FX業者での口座開設は完全に自己責任の範疇ですし、取引でいくら稼いだとしても何の罰則もありませんので安心してください。
投資家に対して違法性が問われるのは税金面です。海外FXの利益とはいえ、投資家は日本での納税義務があり、国内FXと同様に確定申告しなくてはいけません。
もし税金逃れをして、後日税務署の調査で脱税が発覚した場合、高額な追徴課税を請求される可能性もあるので注意しましょう。
ちなみに、国内FXと海外FXでは、課税方式・税率・損益通算できる所得の種類・繰越控除の可否が異なります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
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海外FXの税金まとめ2024|確定申告は必要?脱税できる?節税方法は?
この記事では、海外FXの税金と節税対策について国内FXと比較しながら具体的に解説します。 まず、海外FXの税金について気になるであろうことをまとめました。 ココがポイント 海外FXの税金は「所得税5% ...
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海外FX業者も勧誘行為さえしなければ違法ではない
日本で登録を受けず、金融商品取引業を行うことは違法です。
しかし、日本人に人気の海外FX業者の多くは金融庁に登録していませんので、金融庁の「無登録で金融商品取引業を行う者の名称について」にリストアップされ警告を受けています。
その理由の部分を見ると、どの業者も「インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの」と記載されているので、普通なら「やっぱり海外FX業者は違法なんだ」と考えるかと思います。
しかし、この警告を受けたからといって、一概に違法性があるとは言い切れません。現に、このリストに記載された多くの海外FX業者が、堂々と日本居住者にサービスを提供できています。
その理由は、金融庁「外国金融サービス業者が我が国市場に参入するにあたって適用される法規制」に記載されている以下の文言にあります。
外国証券業者に関する法律第3条により、外国証券業者が国内にある者を相手に証券取引行為を行う場合には、国内に支店等の営業拠点を設け、監督当局の登録を受けなければなりません。本規定に違反した場合は、同法第45条及び第50条の罰則が課せられます。
しかし、登録を受けない外国証券業者であっても、その取引相手が証券会社やその他金融機関等の場合、もしくは証券業者が「勧誘」及び「勧誘に類する行為」をすることなく国内居住者から注文を受ける場合は、国内居住者との取引をすることができます。
ここで言う「勧誘に類する行為」とは、「新聞、雑誌、テレビジョン及びラジオ並びにこれらに類するものによる有価証券に対する投資に関する広告、有価証券に対する投資に関する説明会の開催、口頭、文書又は電話その他の通信手段による有価証券に対する投資に関する情報提供」等が含まれます。
海外FX業者が日本居住者を相手に取引したければ、日本国内に営業所を設けて監督当局に登録しなくてはいけません。
ただし、実は「勧誘」「勧誘に類する行為」さえしなければ、海外FX業者でも無登録のまま日本の投資家から注文を受ることが可能なのです。
インターネットに日本語ホームページを開設する等により、外国為替証拠金取引(FX取引)や有価証券投資等の勧誘を行なっている例が見受けられます。
しかし、金融庁は「海外FX業者の日本語公式サイト = 勧誘に類する行為」と解釈しています。そのため、現状多くの海外FX業者が警告を受けてしまっている訳なんですね。
海外FX業者にとって集客の要は日本語公式サイト。そこで海外FX業者は、日本語公式サイトの片隅に「日本居住者はサービス対象外」と記載することで上手く対応しました。
例えば、AXIORYの公式サイトには上記のような記載があります。
つまり、「日本居住者」ではなく「日本語が理解できる海外居住者」を対して、日本語ページを提供しているだけというスタンスなのでセーフという訳です。
入金ボーナスなどのキャンペーンメールはかなりアウトだと思いますが、無登録で電話営業までしているiFOREXですら警告を受けながら25年も日本居住者にサービスを提供できているので、それほど心配する必要はないかと思います。
ただし、注意してもらいたいのが、この金融庁からの警告を受けている海外FX業者の中にも、優良業者・詐欺業者が混在しているという点です。
例えば、優良業者XM Tradingの上には詐欺業者Riselink FXもリストアップされており、どちらも「インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの」として警告を受けています。
XM Tradingはセーシェル金融庁(登録番号:SD010)でライセンスを取得済ですが、Riselink FXはどこの国のライセンスも取得していませんでした。
そのため、ネットやSNSにある「海外FX業者は金融庁から警告を受けている無登録業者ばかりだからやめたほうがいい」という主張には意味がなく、違法性・安全性を判断する基準にはならないのです。
海外FX業者は金融庁に登録してもメリットがない
「日本で登録すれば国内FX業者のように好きなだけ勧誘ができるのに、なぜしないの?」と思うかもしれません。
現に、AVA TRADE(関東財務局長:第1662号)やOANDA Japan(関東財務局長:第2137号)のように、ちゃんと日本国内に子会社を設立して認可を得ている海外FX業者もあります。
しかし、記事の冒頭にもお伝えしたように、日本の金融商品取引法は規制が厳し過ぎるため、日本で登録してしまうとハイレバレッジ・ボーナス・ゼロカットなどのサービスを提供できなくなってしまうのです。
既にある国内FX業者とサービスを差別化できないのであれば、わざわざ日本に参入するメリットはありません。
そのため、海外FX業者の多くは、規制の緩いオフショアライセンスを取得して、ある程度の信頼性と有利な取引条件・サービスを両立しているのです。
そして、金融庁の反応を窺いながら、多少グレーかもしれないプロモーション活動をしつつ、日本の投資家にアピールしている訳なんですね。
前述したiFOREXも日本では無登録ですが、規制の緩い英領バージン諸島のライセンス(登録番号:SIBA/1/13/1060)を取得し、最大レバレッジ400倍・ゼロカット・ボーナスなどの有利な取引条件を提供しています。
海外FXの違法性・危険性についてよくある質問(FAQ)
海外FXは日本では合法ですか?
はい。日本居住の投資家が、海外FXで取引することは日本の法律で認められています。
海外FX業者も日本居住者に対して「勧誘行為」さえしなければ、無登録であっても日本居住者からの注文を受けることが可能です。
金融庁から警告を受けてる業者は危険ですか?
警告の有無だけで、FXの業者の安全性・危険性は判断できません。
金融庁は、無登録の海外FX業者が日本語ホームページを運営するだけでも「勧誘行為」をしていると解釈し、優良業者・詐欺業者関係なく無差別に警告を出しているからです。
ちなみに、海外FX業者は日本語ホームページに「日本居住者はサービス対象外」と記載して対策しているので、この警告を受けても今のところは問題なく運営できています。
海外FXを利用する際、注意しなくてはいけない点はなんですか?
- 悪徳FX業者
- 怪しい投資話・ツール
- 虚偽の情報
大きく分けると上記の3つです。
悪徳FX業者は、最初から詐欺目的の完全なブラック業者もあれば、一見まともでも何かと理由をつけて出金拒否するブラックに近いグレー業者もあります。口コミを調べて、出金実績のある業者かどうかチェックしてください。最近できたばかりの新興業者は、圧倒的に情報量が少ないので要注意です。
怪しい投資話・ツールは、「必ず儲かる」「誰でも勝てる」などを謳うプロジェクト・セミナー・自動売買プログラムのこと。最初は無料でも、後から高額の追加入金を迫られるケースが多いので注意してください。
虚偽の情報がネット・SNSに蔓延する大きな要因は、主にアフィリエイターやインフルエンサーが、特定の業者やツールを過剰に賞賛したり、反対に過剰に酷評したりする営利活動によるものです。まともな業者が攻撃されたり、悪質な業者が持ち上げられたりもするので、初心者には判断の難しい部分でもあり、誤解した人がさらに虚偽の情報を拡散しがちです。